1962 Ford Galaxie 500XL Convertible
- 品川34を引き継ぐ、国内ワンオーナー車
- 日本でのメンテナンス記録が多く残る
- 352cui.(5.8L) V8オリジナルエンジン搭載
- 内装、幌張り替え済み
- 電動幌も動作確認済み
良い距離感。
FRフルサイズモデルとして、フォードのトップレンジを1959年から担うことになった、ギャラクシー。デビューの翌年には、2ドアと4ドアのセダンとハードトップモデルに、2ドアコンバーチブルの5つのバリエーションをひっさげ、フルモデルチェンジが行われ、リンカーン・コンチネンタなどの兄弟車種として高い人気を誇った。
ヒットの要因は多くあるだろうが、フルサイズボディーに直6から、ミディアムブロックのV8まで多くのバリエーションを選べたことも一つの要因になっていた。
今回紹介するのは、そんな2代目ギャラクシーの中でもマイナーチェンジが行われ、テールフィンを廃止し、新たなリアトリムが装着された1962式のモデル。
その中でも、最上位モデルとなる“500XL”のコンバーチブルモデルで、メッキパーツが多用され、電動ソフトトップを備える。
識別番号が刻印されたプレートも現存しており、内容を確認すると、搭載されるエンジンは、“500XL”の標準の292cui.(4.8L)V8エンジンではなく、352cui.(5.8L)が搭載され、トランスミッションは、1950年代からフォードが採用していた、3速ATのクルーズ・オー・マチックを採用。バーガンディーの外装に、ベージュ・クラッシュのビニール製の内装で出荷されたことが確認できる。
オーナーが1991年、アメリカで銀行マンとして働いている際に同僚から1万ドルで買って欲しいと言われ購入した時点では、識別番号通りのコンディションを維持していた。
その後、アメリカで約1.7万ドル掛けてエンジンをオーバーホールし、1993年、帰国するオーナーと共に日本の地に降り立った。
以降12年間は、オーナー自身が日本とアメリカを行き来することになるのだが、ギャラクシー500XL コンバーチブルは日本で保管され、定期的にメンテナンスが行われていた。
2005年からはオーナーが日本で過ごすことになり、その後車両のリフレッシュ・メンテナンス作業が行われた記録が残る。
内容としては、エンジンのリフレッシュや、幌の張替だけでなく、ベージュ・クラッシュがブラウンに見えるほど劣化していたビニール製の内装から、ボディー色を意識した、赤革の内装に仕立て直しが行われている。さらに、日本での四季を乗り切る為に、ドライバーの為にエアコンが装備され、エンジンの為に手動のチョークが追加されている。
さらに、オーナーが快適にドライブを楽しめるよう、純正オーディオの外観そのままにBluetoothが接続できるギミックが追加されている点も嬉しいモディファイだ。
長距離を走ることはなかったそうだが、自宅から、横浜の某ゴルフ場までの往復50km程度のドライブをコンスタントに行い、少しでもクルマの不調を察知したら、道中の主治医のもとでメンテナンスを受け、好調を維持し、車検証上でもコンスタントに3,000mile(4,800km)を走っていることが確認できる。
オーナー自身、経年劣化でひび割れや、錆も除く外装もパリッと仕上げるつもりでいたが、オリジナルペイントであることにも魅力を感じていた為、あえてレストアはせずに乗り、オリジナルエンジン、オリジナルペイントを維持している。
エンジンなどの機関に関しては、良好なコンディションを維持している為、このままの姿で品川34の2桁ナンバーを引き継いでもらうことが理想だが、内外装をパリッと仕上げるも良し、カスタムカーのベースとしても良しと、最高の素材となる1台であることは間違いない。