1969 Mercedes-Benz 280SL
- 本国のメルセデスベンツ・クラシックに新車状態で現存した280SL
- 4速オートマチックモデル
- ボディー同色のパゴダルーフをメルセデスベンツ・クラシックにて製作
伝説の300SL、その廉価版である190SLに続く第二世代のSLシリーズとして、1963年のジュネーブ・ショーにおいて、ボッシュ製のメカニカルポンプ(機械式燃料噴射装置)付きの2.3ℓ直列6気筒エンジンを搭載した230SLがデビュー。その後の250SL(1967年〜)、280SL(1968年〜)へと続く「縦目ライト」や「パゴタルーフ(中央部が凹んだ形状のハードトップ)」が特徴的なW113型SLシリーズ。280SLは3年間で23,885台が生産された。
レースマシン直系の純粋なスポーツカーというよりも、より快適なグランドツーリングカーとして位置付けられたモデルとなり、4速のオートマティク・トランスミッションやパワーステアリングなども装備された。しかし、そのパフォーマンスが侮れないものであったのも事実で、当時のダイムラー社の技術担当重役でありレース経験も豊富だったルドルフ・ウーレンハウトがドライブした230SLが、レーシングドライバーのマイク・パークスのドライブするフェラーリ250GT(3ℓエンジン搭載)のサーキット周回タイムの僅か0.2秒落ちで走行したという記録も残されている。
当個体は、本国のメルセデスベンツ・クラシックに新車状態で現存していた280SLとなる。
初めて訪れたメルセデスベンツ・クラシックにて、新車として紹介された280SLに心底惚れ込むも、メルセデスベンツ・クラシックからは「売れない。」と販売を断られる。その後、改めてメルセデスベンツ・クラシックに直接出向き、交渉の末に手に入れた一台となる。
日本に輸入されたのは、2007年。輸入される前に本国で、ボディー同色のパゴダルーフを製作した他、3点式のシートベルトや、クーラー、内装同色のタンカラーレーザーでヘッドレストを製作し装着している。その際に、カーペットや、タイヤなども新品に交換されている。その後、ヤナセで28年間メルセデスの整備を手がけ、オールドタイマー部門の工場長も務めた渡辺氏が代表を務める、神奈川の”KUNST”で整備が行われていた一台となる。