BH AUCTION

SUPER GT AUCTION Ⅱ

1995 TOYOTA CELICA GT-Four WRC Group N (ST205)

1995 TOYOTA CELICA GT-Four
WRC Group N (ST205)

  • WRC Group Nマシン
  • TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)が開発と製作を担当
  • サスペンションメーカー“TEIN”が3台製作依頼した中の1台
  • 「90期(後)○試」のステッカーが残る試作車両がベース
  • 1999年の“チャイナラリー”でレッキ車として使用された記録が残る
  • 近年、機関系の大掛かりな整備を受けランニングコンディションを維持

 ラリーの名手、オベ・アンダーソンが1973年よりトヨタ・セリカでWRC(世界ラリー選手権)に参戦。以後トヨタ自動車との関係を深めながらトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)を設立した。1983年にはトヨタ・ワークスとのパートナーシップを結ぶことでTTEはさらに体制強化を図り、1988年にはグループAマシンのセリカGT-Four(ST165)を開発。1992年にはWRCドライバーズチャンピオン、1993/94年には2年連続でWRCドライバー/メイクスのダブルチャンピオン(マシンは共にST185)に輝いている。

 しかし、1995年は新型マシンのST205を投入し、ディフェンディング・チャンピオンとして3年連続のタイトルを賭けWRCに挑むもレギュレーション違反が発覚し、全ポイント剥奪と1年間の出場停止処分が下されてしまうことになった。

 当個体はその前年、アジア・パシフィック地域におけるTTEのサテライトチームとなった日本のサスペンションメーカー“TEIN /テイン”が、当時の強力なライバルだったスバル・インプレッサに対抗するためにTTEに依頼して開発・製作された、ST205をベースとするWRC Group Nマシンの中の1台である。

TTEはスウェーデンのTTS(トヨタ・チーム・スウェーデン)と共同で3台のST205 Group Nを開発・製造しているが、前途の通り1年間の出場停止処分を受けたことに加え、トヨタの主力マシンがセリカからカローラへと移行したことを受け、WRCの場で活躍する機会は残念ながら失われてしまうことになった。

 TEIN SPORTのST205 Group Nは1997年、1998年とアジアパシフィック・ラリー選手権(APRC)を主軸に活躍。1998年にはシリーズタイトルを獲得している。当個体は3台製造されたST205 Group Nの中の2号車で、1999年のみ特別にWRCの1戦として開催された“チャイナラリー”においてレッキ車として使用された記録が残されている。レッキ車とは、ラリー本番前にコースの下見をしてSS(スペシャルステージ)区間のペースノートを作成する目的で使用する車両を指すが、仕様や装備類は本番のラリーを走るマシンと同一となる。

 現在も車体に残されているゼッケンは1999年のチャイナラリーのもので、「RECCE」と記されている。また助手席側ドアにも「RECCE 2」というステッカーが残されている。それ以外の経歴は不明だが、フロントウインドウにはニュージーランドの車体検査機関“VTNZ”のシールが残されているなど、チャイナラリー以外でも使用されていたことは確かである。

 現状においてもワークス・ラリーマシンとしての特別な装備類はほぼ完備している状態となり、ボンネット先端に取り付けられた大型のドライビングランプ、TTEと記されたマグネシウム製ホイール、ボディパネルの継ぎ目に施されたスポット増し、2個装備された小型のルーフベンチレーターなどがその素性を物語っている。内装においてもダッシュパネルに取り付けられたスウェーデンのコルラバ製ラリーコンピューターや溶接されたロールケージ、ドライバー/コ・ドライバー用のインカムなど、ラリー好きには堪らない装備が残されている。

 日本では平成9年にTEIN名義で国内登録された記録が残されており、その後は長らく保管されていたようで、競技車両として一から製作された車体には一般市販車のような錆止めの電着塗装が為されていないこともあり、錆の進行等が認められる状態となる。

 エンジンや機関系に関しては現在の所有者の手で入念な整備が施されたことで、ランニングコンディションが保たれているが、マフラーは車検対応品に交換されておりそのサウンドは想像よりも静かなものとなる。なお、TTEの刻印が入るオリジナルのレーシングマフラーも付属するほか、アンダーガードなども別途残されている。

 最後に特筆すべきは当個体の車体番号である。市販車では車体番号の頭に「1」が付くが、当個体にはそれがなく「0」が並んだ後に「39」とだけ記されている。加えて「90期(後)○試」という試作車両であることを示すステッカーも残されていることから、当個体が大変希少な試作車両をベースに製作されたことが確認できる。

 トヨタ・ワークス格のTTEが開発・製作し、しかも試作車両の車体番号を持つ当個体。希少性が極めて高く、この機会を逃すと2度と巡り合うことができないであろう特別な1台なのである。

ESTIMATE:

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Chassis No. JT164STL500000039
Mileage 44,692 km