YAMAHA TX750
- Yamaha初の750ccモデル
- 改良を尽くした「最終型」
- 純正度の高い国内仕様
- 長期室内保管
1960年代末、東名高速道路の開通とともに日本に訪れた大排気量マルチシリンダー時代。ライバルが4気筒のパワーを競う中、ヤマハが1973年に世に送り出したのは、独創の「オムニフェイズ・バランサー」を搭載した並列2気筒、TX750であった。
ヤマハが求めたのは、4気筒の滑らかさと、2気筒特有の情緒的な鼓動感の高度な融合だ。スリムな車体が生む軽快なハンドリングを何より尊ぶ「ハンドリングのヤマハ」の矜持そのものだった。しかし、高度なメカニズムゆえの熟成には時間を要し、大型オイルクーラーの採用やオイル経路の抜本的改良を経て、ヤマハが理想とした「静かで速い、高級な大排気量ツイン」が完成の域に達したのは1975年のこと。皮肉にもその完成の年こそが、このモデルの生産終了の年となった。
本個体は、そのわずかな期間にのみ生産された、まさにTX750の「完成形」といえる最終年式の国内モデルである。
長年、光や風雨を遮断した室内で献身的に保管されてきたこの一台は、各部の純正度が極めて高い。
時代潮流に埋もれかけた、ヤマハの純粋なる挑戦。
長期の眠りから覚めたこのTX750は、誰もが4気筒を熱望した時代に、あえてツインの可能性を信じ抜いたエンジニアたちの「本気」が封じ込められた、動く文化遺産である。この静謐で力強い鼓動を再び解き放つことは、日本のモーターサイクル史における輝かしい一節を、自らの手で再生させることに他ならない。











































































































