1972 Sportscoach
- 1円スタート
- フルサイズキャンピングカー
- 航空機技術を用いた設計
- 現代的な快適装備
- シボレー製エンジン
車両説明
そのボディサイズから圧倒的な存在感を放つのが、この「シボレースポーツコーチ」だ。それもそのはず当個体はキャンピングカーの中でも最大級の大きさとなる所謂フルサイズキャンパー。全長は8メートルとなっており、迫力満点なルックスはもちろん、あらゆる快適装備が備えられた、まさに走る家と呼ぶにふさわしい車となっている。
この車を手がけた「スポーツコーチ」は1968年に起源を持つ、キャンピングカーに特化したコーチビルダーだった。1978年には「コーチマン」によって買収されるが、現在でも「スポーツコーチ」ブランドとして、フラッグシップモデルが製造されている。現在でもその名を残す「スポーツコーチ」であるが、当個体は同メーカーが買収前に製造したオリジナルモデルということで非常に高い希少性を誇る。実際にアメリカ本国でもこの年代に製造された「スポーツコーチ」は個体数が著しく減少している。
そしてこの「スポーツコーチ」には、当時の一般的なモーターホームと一線を画す革新的な設計が採用されていた点にも注目したい。当時、他メーカーのモーターホームのボディ設計は、基本的に木造の建築技術が用いられ、木製のフレーム等が使用されることも珍しくなかった。それに比べ「スポーツコーチ」は、航空機に使用されていた製造技術を取り入れることで、軽量かつ丈夫なボディを作り上げたのである。フレームにはアルミなど金属が多く使用され、当時のカタログを見てもその耐久性の強さが強調されている。そして特徴的な突き出たノーズも、空気抵抗を減らす目的でデザインされており、航空機らしいエアロダイナミクスの技術が応用されている。また壁の中にポリウレタン素材を用いることで、断熱効果向上も測られている点も当時としては先進的だった。
当個体は内装が前のオーナーによって大幅に作り替えられており、外装とは裏腹に現代的な快適装備を備えている点もポイントだ。外付けの発電機に加え、冷蔵庫、電子レンジを装備し、日本規格のコンセントまで備えている。シンクキッチンも広々としてキャンプ先でも本格的な料理が楽しめる。
ベッド類はフルフラットへ変形する大きなソファを二つ備え、居住スペースの上部の棚を展開すれば、もう一つベッドが出現するようになっている。十分なスペースが確保されており、6人くらいまでなら快適に過ごせるだろう。しかし、最後尾のトイレに至ってはまだレストア前となっており、排水用のパイプも外されている。国内で使用するためには、タンクを備えたトイレに作り替える必要がある。
エンジンにはシボレー製が使用されており、パーツ類の入手難度は低い。しかし、そのボディサイズの大きさから、運転は難しく、実用性に関しては、お世辞にも良いとは言えないだろう。とはいっても、その充実した装備と広々としたスペースによる快適性、そして「スポーツコーチ」が製造した希少な個体であるということを考えれば、一つ頭の抜きん出た魅力を放つ車両であるということは間違いない。
【車検証上のスペック】
8ナンバー・普通・特種・自家用・加工車
乗車定員 : 6名
最大積載量 : -kg
車両重量 : 4,270kg
車両総重量 : 4,600kg
長さ :808cm 幅 : 242cm 高さ : 297cm
総排気: 7.42L
燃料の種類 : ガソリン