1934 Jaguar SS 1.5 Litre Sports Special Roadster
- SS2 ベースに幻の SS90 プロトタイプを精巧に再現した車両
- 国内未登録車両
- 国内ワンオーナー車
- 2013 年にレストア実施
幻の SS90 プロトタイプを精巧に再現したSS2
当個体はサルーンボディのジャガーSS1.5リッターモデル「SS2」をベースに、「SS90」プロトタイプボディにワンオフでリビルドしたコンバージョン車両。
「SS90」は「SS1」のホイールベースを15インチほどショート化し、SS Cars(現在のジャガー)がモータースポーツに投入するために製造したモデルである。その製造台数はわずか23台だったとされており、プロトタイプに至ってはたったの1台のみ。まさに幻のモデルとして、ジャガーファン憧れの車なのである。
この車両は、そんな「SS90」を精巧に再現するべく、シャシからすべて組み直され、ホイールベースも約12インチほど短縮されている。
もちろん「プロトタイプ」の特徴でもある、雫なようなグラマラスな曲線にスペアタイアが溶け込むリアデザインも見事に表現されており、並々ならない高貴さを放っている。
ボディはアルミニウムで構成されており、英国スポーツカー伝統のグリーンカラーを身に纏う。ダッシュボード、内張りなどは外装カラーに合わせて、グリーンレザーを使用。また、オリジナルを修復したと思われる4連メーターが気高さの中にレーシーさも感じさせてくれる。
車両記録
残されている記録によれば、ボディのリビルドは1970年代初頭に行われたとされている。そして90年代には、大規模なレストアが実施され、エンジン周りにも手が加えられた。ピストンやシリンダーの研磨が行われたが、メカニズムはすべてオリジナルを踏襲することが徹底され、当時のオーナーのこだわりが垣間見える部分となっている。
また、2013年1月からは「British Classic Cars」によって再びレストアが行われ、約一年の歳月をかけて、現在の美しいコンディションまで引き上げられた。オドメーターは491mileとなっているが正しい走行距離は不明。だが、もちろんエンジンは始動可能な状態が維持されている。
歴代オーナーの手を渡り歩き、より一層その美しさを磨きつづけ、現在まで大切に保存されてきた一台。次に手にするオーナーにもぜひこの車をより輝かせ続けてもらいたい。