1970 トヨペット クラウン セダン(MS50)
- ▶6気筒エンジン搭載「スーパーデラックス」
- ▶オリジナル状態の内装
- ▶長年屋内保管された不動車
1967年、トヨタは高級車シェアの拡大を目指し、「3代目クラウン」をデビューさせる。それまでの「クラウン」は”法人の車両”というイメージが強く、個人オーナーはまだ少なかった。このイメージを払拭するため、トヨタは大衆車に採用されることが多かった「白」をイメージカラーに掲げ、販売を開始する。そうして登場した「3代目クラウン」は、個人車両としての認知を受けただけでなく、威厳のあるボディデザインから、多くの自動車ファンの支持を獲得した。
もちろん走行性能においてもこの「3代目クラウン」は革新性に満ちている。当時高速道路の整備が急速に進めらており、高速長距離走行に耐えうる車両が求めらた。これに対応するべく、トヨタは初めてベリメーターフレームを採用する。これにより耐衝突性能の向上、居住スペースの拡大を実現し、後のクラウンシリーズの基礎を作った。またボディとフレームを16個のラバーを介して接続することで、走行時の振動を抑えており、乗り心地が向上した点も人気の所以と言えるだろう。
当個体は「3台目クラウン」の最高出力110psを発生する「M-D型」6気筒エンジンを搭載した「スーパーデラックス」である。外装は爽やかなアメリカンな印象を与えるミズリナグリーン。内装もオリジナル状態が維持されている。
本個体は長年屋内で保管さえていた不動車であり、過去に抹消登録が行われ走行距離記載がないため、走行距離は不明となる。内外装ともに経年劣化が確認できるが、多少の手を加えれば十分当時の輝きを取り戻してくれるだろう。