1973トヨタ クラウンカスタム(MS62)
- ▶クジラの愛称で親しまれる4代目クラウン
- ▶8人搭乗可能なワゴンモデル
- ▶長年屋内保管された不動車
「4代目クラウン」は、1972年に発売された。この代からそれまでの「トヨペット」の名を廃し、「トヨタ・クラウン」に改められる。
1970代初頭、日本は依然として経済成長を続けていた。”豊かな時代”はより新しく、高度な需要が求められると感じたトヨタは、この「4代目クラウン」で大胆な改革を図る。それは挑戦的なデザインに見ることができた。それまで直線的なラインから一転、曲線を活かした流麗なラインを描く「スピンドルシェイプ」を採用したデザインは、当時の自動車ファンを驚かせた。
あまりに実験的なルックから、保守的なファンには受け入れられなかったが、後にその美しさが再評価され、現在では「クジラクラウン」の愛称で親しまれている。
またこの4代目に対するトヨタの野心はもちろんメカニズムの面にも確認できる。モデルチェンジを行う中で、クラウン初の「4M型」2600ccエンジン搭載の3ナンバーモデル、EFI(電子制御燃料噴射)仕様や世界初のアイドリングストップ機能搭載したモデルなどが登場し、現在の自動車技術の根幹を形成した。
当個体は、1973年のマイナーチェンジ後に登場したステーションワゴンタイプ後期型「クラウンカスタム」となる。オドメーターは75,080kmを表示する。前後席は3人掛け。ラゲッジルームには後ろ向きのサイドシートを備え、合計8人搭乗できる。
外装色の白は、多少の経年劣化が認められる。内装おいても時の流れを感じさせるが、内装シート類には貼りがあり特徴的な角形メーターを納めたダッシュボードにもひび割れ等は見られない。当個体は長年屋内で保管されていた不動車となるが、予々良好なコンディションを維持し、レストアベースの車両としては十分な品質な個体と言えるだろう。