2008 JIM GAINER Ferrari 360 / F430 Version
- ・唯一無二のボディメイク
- ・GAINER伝統のゼッケンナンバー「11」を纏う車両
- ・スペアエンジン付属
車両解説
■その名も「和製フェラーリ」
名門プライベーターとして長い歴史を誇る「GAINER」(旧JIM GAINER)が名門コンストラクター「童夢」との共同開発で生み出したF360。2003年のデビューから「物作り集団のレースチーム」とも言われるGAINERならではの大胆な改良を重ね、2008年には当時最新モデルだったF430のボディを移植し「F430」としてSUPER GT300クラスに参戦した。
ボディとベース車両が異なるこのマシンの特性上、表記は「F430」となっているものの、型式登録上は「F360」となっており、当時エントリーリストの記載ミスを疑ったファンも少なからずいたのではないだろうか。エンジンは戸田レーシング製の3.5リッターV8「F131B」を搭載しており、JAF GTマシンとして開発された当車両は、フェラーリのレースマシンとしては非常に珍しい右ハンドル仕様となっている。
■「GAINER」だからこそ生まれた幻の一台
レースでは優勝にこそ一歩及ばなかったものの、シーズンを通してリザルト上位に名を連ねる高いパフォーマンスを発揮した。バケットシートの破れは、その熾烈なレースシーンにおいてコンマ1秒を争い素早いドライバーチェンジが繰り返された事を鮮明に物語っている。
当車両のゼッケンプレートに印字された「11」はGAINER伝統のナンバーだ。今となっては絶対に許されることのない“フェラーリ社公認の和製フェラーリ”。その存在はもはや伝説の域にあり、コンストラクターとしても名高いGAINERの歴史を語る上で欠かせない一台と言えるだろう。
メーカー解説
●モノづくりのレース集団「GAINER」
「GAINER」は、京都府に本拠を置く名門レーシングチームである。GT300クラスではチャンピオン争いの常連であり、2015年には一戦もリタイヤする事無くチャンピオンを獲得するなど、輝かしい戦績を誇る。
そんなGAINERは1999年にチームが発足。同年に鈴鹿サーキットで開催されたポッカ1000kmレースへの参戦がチームとしてのデビュー戦となった。翌年の2000年からJGTC全日本GT選手権にフル参戦。2003年には「童夢」との共同開発で制作したJAF-GT規定のフェラーリF360を導入。レース参戦からわずか4年目で表彰台獲得を果たしている。
●挑戦的なマシン開発
2005年。課題となっていたエンジンのパワー不足と燃費問題を解消すべく、当時耐久レースで高い実績を誇った無限のレーシングエンジンへの換装を実施。このアップデートが功を奏し、シーズン第6戦の富士で2位表彰台を獲得。
続く第7戦オートポリスでも入賞し、最終戦となった鈴鹿では見事優勝を果たした。F360をベースに童夢が制作したシャシーと無限製のエンジンの組み合わせは”フェラーリの皮を被ったNSX”と言われ、戦績と共にマシンとしても強い衝撃を与えた。
●多様な車種での参戦
2008年にはF360をベースに当時最新型だったf430のボディを移植したマシンを投入するなど、GAINERならではの独自性あるマシン開発でコンストラクターとしての地位も確立している。以後もアウディやメルセデスベンツへのマシン変更を重ねながらもコンスタントに優勝を重ね、現在は日産nismoのオフィシャルパートナーチームとしてニッサンGT-RニスモGT3でチャンピオンを狙う。