1969 Mazda Cosmosports(L10B)
- 世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載
- 128psの最高出力を発生する後期型
- 26年間、兄弟で大切に共同所有
- 26年分の整備記録が残る
- オリジナル度の高いコンディション
- ヂーゼル機器製の純正オプションクーラーを装備
「宇宙」を意味する「コスモ」というモデル名が与えられた世界初の2ローター・ロータリーエンジン搭載車、「コスモ・スポーツ」。1963年10月の東京モーターショー(当時は全日本自動車ショウ)でプロトタイプが公開されたのち、連続高速耐久テストを含む300万km以上にも及ぶ開発・走行テストを経て、1967年5月についに発売が開始された。
コスモ・スポーツのカタログに謳われた、総排気量491cc x2、最高出力110ps、最高速185km/h、0→400m加速16.3秒という当時の国産スポーツカーとしては驚異的なスペックは、低く流線的な新時代の到来を感じさせるスタイリングも伴って多くのファンを魅了した。小型で高出力というロータリーエンジンの長所を生かしたパッケージングをもって、コスモ・スポーツは当時のスポーツカーとしては他に類を見ない月間30台前後というセールスを達成したのである。
当個体は前オーナーがワンオーナーカーを購入後、約26年間大切に所有(兄弟で共同所有)してきた後期型(1968年に改良。エンジンはそれまでのL10AからL10Bに型式変更され最高出力は従来の110psから128psへと向上)のモデルで、塗装の手直しと格子柄のシート生地(非純正)が張り替えられたほかはオリジナルの状態を保っている。特筆すべきは当時40万円を超える価格設定とされていたメーカーオプションのヂーゼル機器製のクーラーを装備している点。クーラーのユニットは車内後部の手荷物スペースに置かれ、冷気が後方から吹き出す形式となる。
26年に及ぶ車検整備や各種修理の記録が数十枚にわたってしっかりと残されており、経年変化は認められるものの、機関系をはじめコンディションは良好な1台となる。