2003 Porsche 911 GT3 Cup [Type 996]
- 996型カップカー最終モデル
- GT1クランクケース
- チタン製コンロッド
- ドライサンプシステム
ポルシェ911の5代目にあたるType 996は、911シリーズ初となるフルモデルチェンジが行われたモデルとなる。
規制が厳しくなりつつあった環境問題対策の一環として、水冷エンジンが搭載された911初のモデルとして、1997年に登場し、2004年まで生産が続けられた。
それまで、911のシンボル的な存在だった丸型のヘッドライトから、当時爆発的な人気を博していたボクスター(968型)のフロント周りと共通の部品が流用されコスト削減が図られたが、それまでのポルシェファンからの反発もあり、2000年発売開始されたターボモデル、その他のモデルは、2002年からヘッドランプが変更され後期型と呼ばれる。
この個体は、そんな後期型の一台となるが、ただの996ではない。
3600cc水平対向エンジン、ル・マンに参戦していた911 GT1の流れを汲むクランクケース、チタン製コンロッド、別体式オイルタンクによるドライサンプ式潤滑システムと水冷式オイルクーラーを搭載。パワートレインではさらに高出力の911 GT2のトランスミッションと同設計の6速MTを、サスペンションでは調整式スタビライザーと車高およびバンプ・リバンプの別々の調整が可能なスプリングダンパーユニットを装備。ブレーキにはフロント6ポッドキャリパー+350 mmのブレーキディスクなどが奢られている。
GT3 Cupは911 GT3をベースに開発された、生粋のType 996のレーシングカーである。また、ポルシェのカップカーとしては最後となるHパターンを採用したモデルとして、現在でも高い人気を誇る。
当個体には、レカロ製のクレスト入りバケットシートが助手席に装着されているなど、各サーキットで高いパフォーマンスを発揮するだけでなく、レッスン用の車両としても高い水準での走行を可能にする一台となる。併せて、当個体のレース参戦記録などは定かではないが、オドメーターの指し示す2,985kmという数字が正しいものに感じさせるクリーンな状態を維持している点も見逃すことができない一台といえる。