1964 PRINCE SKYLINE SPORT
- 1960年のトリノ・ショーでオリジナル度の高い良好なコンディション
- ボディはイタリアの名匠ミケロッティのデザイン
- ボディはほぼハンドメイドで製作
- 新車価格は185万円(現在の価値換算で2000万円)
- 製造台数はクーペ35台、コンバーチブル25台
- 2009年のコンコルソ・デレガンツア・ヴィラデステに出展
ジョバンニ・ミケロッティのスタイリングによるプリンス・スカイライン・スポーツは、その後の日本車における海外デザイナー起用ブームの火付け役となったことで知られる。従来の国産車にはなかった本格的な高級スポーツクーペであり、イタリアの感性が注ぎ込まれた流麗なボディデザインはもちろんのこと、上質な本革を用いたインテリアもそれまでの日本車にはない真のラグジュアリーさを湛えたものだった。
チャイニーズアイと呼ばれる吊り目のヘッドライトが印象的なスカイライン・スポーツはグロリアのシャシーに94psを発生する1862ccの直列4気筒を搭載。それに職人のハンドメイドによる流麗な“イタリアンボディ ”が被せられた。しかし、ハンドメイドによる高コスト・高価格(クーペが185万円、コンバーチブルが195万円)という点はマーケットにはあまり歓迎されず、その生産台数は僅かに60台(クーペ35台、コンバーチブル25台)に止まっている。
当個体は1961年製のクーペで、オフホワイトの美しいボディ、内装、機関系ともに非常に美しい状態を保ったまさにコンクールコンディションの1台。それもそのはずで、この個体はイタリア・コモ湖畔で毎年開催されるコンコルソ・デレガンツア・ヴィラデステに出展された経歴(2009年/当時の出展証、認証ステッカー付属)を持つ。ちなみに世界的なコンクールであるヴィラデステに初めて出展された日本車は、まさにこの個体だとされている。
世界に通用する美しさを初めて手にした日本車。その価値は今後もさらに高まることだろう。