2008 LAMBORGHINI MURCIELAGO LP640
- 640psの6.5ℓ V12気筒エンジンを搭載
- ムルシエラゴの最終進化系
- 新車時からのワンオーナー車
フォルクスワーゲンによるランボルギーニ社の買収劇(実際の親会社となったのはグループ企業のアウディ)は、ランボルギーニがより高品質で信頼性に富んだプロダクトを開発・生産することに大きく寄与した。その効果はディアブロの後継モデルとして2001年に市場に導入された、新型のフラッグシップ、ムルシエラゴに対して顕著に現れている。
「ムルシエラゴ」というネーミングは19世紀に実在した伝説的な闘牛に由来。ランボルギーニ社の伝統に則って生を受けたムルシエラゴは、品質面においてはアウディの影響を良い意味で多く受けたが、その成り立ちは実にランボルギーニらしいものだった。角断面を持つ鋼管スペースフレームで組まれたボディは外部からの応力をすべてシャシーによって負担する構造で、これはディアブロから受け継がれたオールドスクールなもの。但し、ボディパネルには軽量なカーボンファイバー素材を多用することで、車両重量はディアブロより100mmほど全長が拡大されたのにも関わらず、ほぼ同じ水準の1650kgという数値を実現している。
搭載されるエンジンも新開発ではなく、ディアブロから引き継がれた60°バンクを持つ水冷V型12気筒DOHCの進化型となる。このエンジンはディアブロ以前のカウンタックから基本構造を受け継いでおり、そうした意味でもとても古典的な、良い意味で豪快な回り方をするエンジンとして、今日も多くの闘牛ファンを魅了している。
当個体は2006年に登場したムルシエラゴの最終進化版となるLP640-4で、デビュー当初の6.2ℓから排気量を6.5ℓまで拡大。最高出力は640psとなり、その数値がモデル名として反映された。日本に正規で輸入された個体で、これまでの11年間を一人のオーナーのもとで大切に管理されながら過ごしてきたグッドコンディションの1台。ソリッドのホワイトボディは珍しく、トランスミッションはセミオートマティックの“eギア”で、走行距離はわずかに5,660kmとなる。