1990 Ferrari Testarossa
- コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドによる正規輸入車
- 5穴のナットロック式ホイールが与えられた後期型
- ボッシュ製KEジェトロニック・インジェクションを搭載
- 内外装、機関系ともにグッドコンディション
イタリア語で「赤い頭=赤く塗られたカムカバー」を意味するテスタロッサのネーミ ングは、フェラーリにとって特別なものとさ れ て い る。250TR、500TRと い う1950年 代 後半に活躍した名レーシングカーに由来した 伝説のネーミングであり、それが1984年に 512BBiの跡を継いでデビューしたフラッグシ ップモデル「テスタロッサ」に再び与えられ たことで広く一般に浸透したのである。
1984年10月のパリ・サロンで発表された テスタロッサはBBシリーズ同様の180°バン ク角を持つV型12気筒エンジンをミッドシ ップ・レイアウトで搭載。排気量は4,943cc で燃料供給は512BBiと同じくボッシュ製 Kジェトロニックとなるが4バブル化する ことで吸気効率の向上が図られている。最 高出力は390ps/5,750rpm、最大トルクは 50kgm/4,500rpmが欧州仕様の公式カタログ スペックとなるが、北米、スイス、日本向けの仕様は排気ガス対策によって380ps / 5,750rpm、48kgm/4,500rpmとダウンスペッ クとなるほか、1速および2速のギヤ比も低 められている。
サイドに設置されたラジエーターに空気を 取り込むためのエアインテークは、ドアから リヤフェンダーに向けてスリット状のカバー でデザインされ、これがテスタロッサの外観 上の大きな特徴となる。1984年から1986年 まで製造された初期型はイタリアの法規に合 わせてAピラーの中ほどにサイドミラーが取 り付けられていた(運転席側のみのシングル ミラー)が、1987年のマイナーチェンジで一 般的なAピラー付け根の取り付け位置に変更 された。 1989年には再度マイナーチェンジが実施 され、ホイールがそれまでのセンターロック 式から一般的な5穴のホイールナット式へと 変更。合わせてアライメントも変更されよりシュアなハンドリングが実現されている。
出品車は1990年にコーンズ・アンド・カン パニー・リミテッドの手で日本へと正規輸入 された1台で、ロッソコルサのエクステリア にブラックのインテリアという、フェラーリ の王道をいくコーディネートを纏う。走行距 離は38,970km。最後期型のため燃料供給は ボッシュ製KEジェトロニック・インジェクシ ョンとなる。 前オーナーは日産スカイラインGT-R(PGC10、KPGC10、KPGC110)を軸とした S20型エンジンの名チューナーとして知られ る渡辺茂氏。かつてはF40LMを所有するなど フェラーリのコレクターとしても知られ、メ ンテナンスにも定評のあった氏の手がきちん と入った個体だけに、全体のコンディション は素晴らしい状態を保っている。