1985 Renault 5 Turbo2 Maxi
- 200台のみが作られらた“Maxi”
- グループ4ホモロゲーション・モデル
- 走行距離計の表示は僅かに9,130km
- 新車のような輝きを放つミントコンディション
サンク・ターボのベースとなったルノー 5 (サンク)は1972年に発売。自然吸気の4シ リンダーエンジンを搭載したコンパクトなFF 車で、92hpのエンジンと快適な乗り味によっ て欧州ではベストセラーとなった傑作実用車である。
ルノーは1973年のアルピーヌ・ルノー A110以来レースで勝てていなかったため、 社内においてもラリーへの復活熱が高まって いた。その勢いを受けて1976 年にグループ3 への参入を目指してディエップのアルピーヌ 工場でA310と並行して開発がスタート。ス ポーツパフォーマンスを高めるため、エンジ ンとトランスミッションはそっくりシートの 後部へと移され、FFの傑作実用車はミッドシ ップ・レイアウトの後輪駆動へと大胆な変身 を遂げた。
縦置きされたエンジンはギャレット製のT3 ターボチャージャーで過給され、6,000rpm で160psを発生。リヤに置かれたエンジンと ラジエーターの冷却のためにより大きな空気の取り入れ口が必要になったことに加え、大 型化したリヤタイヤにも対応するべくリヤに は特徴的なブリスターフェンダーが採用され た。さらにサスペンションはダブルウィッシ ュボーン式を採用。リヤにはアルピーヌ・ ルノー A310で定評のあるコイルスプリング を搭載するなど足回りも徹底的に強化され ている。車両重量はわずか970kgに抑えられ ており、0-60mph加速は7.1秒、最高時速は 125mph(約200km/h)を達成した。
1980年に生産が開始されるとすぐさまホ モロゲーション取得の最低生産台数である 400台を達成。83年までに、およそ1,300台 が生産された。83年からは、普及版のサンク・ ターボ2となり、86年に生産終了するまでの 間に5,007台を生産している。
ターボ1と呼ばれるようになった初期型サ ンク・ターボとターボ2の違いは、一部のボ ディ材がアルミニウムからスチールになった こと、色の選択やオプションがより幅広くな ったことに加え、内装のインパネ周りがターボ1では計器類が左右対称に配置されたユニ ークなデザインであったものが、ターボ2で はよりシンプルなものへと変更されている。
グループ3の参入を目指して開発の始まっ たサンク・ターボだが、開発が進むにつれ、 グループ4車両へ変更されることになった。 ラリー選手権では1981年のモンテカルロ・ラ リーから86年のポルトガル・ラリーにかけて 4勝を積み重ねている。
出品車は1985年式のサンク・ターボ2マキ シで、5ターボ2の生産末期に200台のみ作ら れた特別仕様となる。排気量が1432ccに拡 大されたほか、ラリー用の“Maxi”に通じる特 別なチューンが施されている。
シートがレザーに張り替えられている他 は、エクステリア、インテリア共に変更箇所もなく、純正色のグロスブラック(Noir 655) の塗装は新車の様な輝きを保っている。いずれにせよ、これほどのコンディションを保っ たサンク・ターボ2に巡り会える機会は二度 とないと断言できるだろう。