1993 NISSAN Skyline GT-R V-spec N1 (BNR32)
- わずか228台のみ生産の希少なN1モデル
- ブレンボ製ブレーキを装備する後期型「V-Spec」
- 純正のBBSホイールも付属(現在は社外製ホイールを装着)
- エアコン、オーディオ装備
- 79,928km、80,125km時点で大規模リフレッシュをディーラーで実施
- BCNR33-N1エンジンに換装(79,928km時)
- BNR34のタービンを装着
車両説明
●ブレンボ製ブレーキが初めて採用されたVspec-N1
当個体は、当時人気カテゴリーとして発足しつつあった、N1耐久レースに参戦するため、ホモロゲーションモデルとして生産されたN1スペック。
当個体は、初期型モデルから主にブレーキ周りが改良された後期型となる「V-Spec」だ。走行距離は約10万kmとなり、エンジンはBCNR33のN1エンジンへと積み替えが行われている。
積み替えはディーラーで、79,918kmの際に実施。併せて、足回りや、デフのファイナル交換、ミッションに至るまで、大幅なリフレッシュ作業をした記録が残る。その際に、BNR34のタービンが装着されるなど、約8万キロを走ったオーナーのこだわりが垣間見れるモディファイも行われている。その後、80,125kmの時点でミッションを交換するなど、納得のいかなかった部分に再度手直しが行われている。
ホイールに関しては社外製品が備えられている個体とはなるが、純正のBBSホイールも残されている。またオプション装備である、エアコン、オーディオ類も備えており、V-specの特徴とも言えるブレンボ製ブレーキローター、キャリパーももちろんそのまま備えている為、純正のBBSホイールに戻すことも可能。
全期間を通してわずか228台しか生産されなかったモデルということを考えればその希少性は計り知れない。
●「NISMO」をベースにした特別仕様車
”N1”は「NISMO」をベースに開発されたこともあり、内外装ともに共通点が多い。
フロントバンパーの特徴的な2つのダクト、ボンネット先端のフードトップモール、さらにバンパーグリル、リアワイパーがキャンセルされている点も「NISMO」と共通している。
またABSが備えられていない点も同じで、エアコンやオーディオ類もオプションとして設定された。これは軽量化に重きを置かれたホモロゲーションモデルらしい仕様と言えるだろう。
大きな違いとしては、N1はリアのサブスポイラー、サイドプロテクトモールをキャンセル。さらにヘッドライトがプロシェクターランプ内蔵式から、より軽量な2灯ハロゲンの通称”N1ライト”に変更されている。
またボディカラーは「クリスタルホワイト」のみ設定となっており、”N1”のアイデンティティを構成する大きな要素の一つとなっている。
●持久戦を耐えうるために
外装こそ「NISMO」に近い「N1」であるが、機能面に関しては、耐久レースに合わせて仕様変更が行われた。
最たる特徴としては、ブレーキまわりに確認できる。GTRは車両重量1350kg(N1競技車両)と重く、エンジンパワーもあったため、ブレーキにかかる負担は非常に大きかった。
この問題はグループAにおいても課題とされたが、より長距離を走行するN1耐久においては性急な解決が必要だった。
そこで、まず負荷によるブレーキローターのクラック発生を防ぐため、ローターのピンホールをキャンセル。さらにブレーキの高温化への対策として、フロントサスペンションロッドに冷却用のプラスチック製の導風板が備えられた。
また、エンジン周りも耐久性を上げるためスタンダードモデルのセラミックタービンから「NISMO」と共通のメタルタービンに変更。エンジンブロックもより強度が増した特別仕様のN1ブロックが採用されている。