1996 Datsun 240Z "Vintage Z"
- 北米日産によるZのレストーションプロジェクト車両
- 240Zのレストア車両
- ソリッドブラックにオールペイント
- ワタナベ製 6.5Jアルミホイール装着
- スポイラー、フェンダーミラー装着
フェアレディZが発売された翌年、1970年に輸出専用のL24型エンジンを搭載したダットサン240Zを北米日産で販売開始。
ポルシェ911の価格が約1万ドルだったのに対し、約3,600ドルに抑えたこともあって世界総販売台数約54万台(国内販売は約8万台で、ほとんどがアメリカでの販売)の大ヒットを記録した。今なおアメリカで最も売れたスポーツカーの記録はやぶられていない。
その後もアメリカでは、S130〜Z32まで販売されたが、営業不振で1996年にZを販売中止。翌97年には、日産のブランド戦略で長年アメリカで親しまれたダットサンブランドが廃止された。しかし、アメリカでのZへの熱は冷めることなく、1998年には米国日産が独自にプロトタイプを製作。99年のデトロイトショーへ出品。S30Zを現在に甦らせるようなデザインであったことから世界中のZファンが熱狂。この動きがルノー傘下に入ったばかりの日産本社を動かし、一気にZ33フェアレディZ発売へとつながることになった。
当個体はZ32フェアレディZの発売中止直後に北米日産によってレストアされたヴィンテージZ。200台生産予定だったが、採算ベースに乗らないこと、注文が殺到したことなどを理由に、わずか37台(39台の説もあり)のダットサン240Zのみが再販され、そのほとんどがアメリカでの発売だったため、直接目にする機会は非常に少ない車両となる。
その個体を日本に持ち帰り、20年以上倉庫に保管されていた車両を、再度ペイントなど、手直しを加えたのが当個体となる。
外装は、シルバーから、ソリッドブラックに変更するだけでなく、エンジンヘッドもブラックの結晶塗装で色直しをし、6.5Jのワタナベ製ホイールを装着するだけでなく、スポイラーの装着、ドアミラーから、フェンダーミラーへと変更が加えられている。
ビス1本1本まで新車時に近い状態にレストアされ、内外装やエンジンルームを見ると、まるで当時にタイムスリップしたような感覚を味わえる輸出仕様の個体だったものをベースに、国産旧車の定番カスムが追加された1台。ヴィンテージZ自体も希少性が高い個体となるが、さらに手が入り、さながら国内ものかのような雰囲気も醸し出す、唯一無二の個体となる。