1990 Aston Martin Virage
- 生産台数411台
- ニューポート パグネル工場でラインオフされた最後の車種
- 正規輸入車両
ヴィラージュは、それまで1967年から細々と販売されていた「アストンマーティン V8」の後継車として、1988年に発表された。ニューポート パグネル工場で生産されたアストンマーティンとしては最後のモデルになる。
シャーシは4ドアセダンのラゴンダのプラットフォームを切り詰めて使用しており、鋼管スペースフレームにアルミのボディパネルを溶接する工法により組み上げられた。フロントにはダブルウィッシュボーン、リアには三角ラジアスロッドとワッツリンケージで位置決めを行うド・ディオンアクスルが採用されている。
外装デザインに際してはサザンプトン大学でフルスケールの風洞実験を行い、リアのスポイラーといった空力付加物無しで直進安定性を確保。アストンマーティンとしても初の空力重視なデザインとなっている。一方でヘッドライトやテールランプには他社の物を流用し、アストンマーティンらしさを失わずにコストを抑えることに成功している。
心臓部には米国チューナーのキャラウェイが4バルブシリンダーヘッドを設計した、5.3リッター32バルブのV型8気筒エンジンを搭載。ウェーバー・マレリ社製のインジェクションシステムを組み合わせ、330 hpを発揮した。車両重量1790kgの重量級でありながら、最高時速は254km/hに達する。
1996年にはマイナーチェンジが行われ、その際に「ヴィラージュ」という名称は消滅し、「アストンマーティン V8クーペ」に再度名称が戻ってしまう。純粋なヴィラージュの名を持つ車両は僅か411台のみの生産だった。
当個体は1990年式のヴィラージュの名前を冠していた前期型。登録自体は2001年に行われているが、正規輸入車両となる。定番のブリティッシュグリーンに白のコノリーレザーという組み合わせを身に纏っている。車検証上の走行距離は1900kmを示すが、メーターが現在故障しているため、走行距離不明扱いとなる。
古き良き時代を体感出来る希少なアストンマーティン故に、手に入れられるうちに入手したい一台だ。