1968 トヨタ クラウン 2ドアハードトップ(MS51)
- ▶ブルーメタリックを纏う
- ▶長年屋内保管された不動車
1967年に”日本の美”をテーマに2代目からのモデルチェンジを遂げた「3代目クラウン」。社用車や公用車としてのイメージが根強かったクラウンを、より個人ユーザー層に向けて販売するべく、1968年にはパーソナルカーそのものとも言える2ドアハードトップモデルを、クラウンとして初めてラインナップに追加した。
セダンタイプとは異なる印象の角型ヘッドライトに、センターピラーレスの無駄なく洗礼されたボディラインの組み合わせは、2ドアのスポーティな印象と高級車としての品格が上手く両立されたデザインだった。そんな「クラウン2ドアハードトップ」は、国産2lクラスとしても初の2ドアモデルであり、その贅沢なスタイルが成功者の証として当時の若者の憧れの的となった。
当個体は1968年式の前期モデルとなる。エンブレムやロゴのメッキパーツに経年相応の劣化が見受けられるものの、淡いブルーを身に纏ったボディに大きな損傷等は無く、良好なコンディションで保存されている。またボンネットにはダミーのエアダクトが備えられており、洗練されたデザインに力強さが加わっている。
内装のドアパネルやシートに大きな破れなども無く、ハンドルやシフトレバーもオリジナルの状態を維持。存在感を放つ追加のタコメーターも装備され、当時のオーナーに愛されていた個体であると感じさせる。
エンジンの始動にはメンテナンスが必要となるが、前期型が登場した翌年の1969年には、ヘッドライトをグリル内に収めた後期型へマイナーチェンジされている事を考慮すると、当個体の希少価値は非常に高いと言えるだろう。オドメーターは27,927kmを指す。