2004 Ferrari 360 Challenge Stradale
- 走行距離379km
- 379 km on the odometer
- シートカバー、ハンドルカバー、純正工具付属
- 定期整備記録簿有
スーパースポーツ、あるいはハイパフォーマンスカーの軽量・高性能版、いわゆる「ハードコアバージョン」は、元祖ともいえるポルシェはもちろん、今ではランボルギーニやBMWでも定番のジャンルとなっている。このジャンルにフェラーリが初めて送り込んだのが、2003年デビューの「360チャレンジ・ストラダーレ」だ。
通常の「360モデナ」は16,244台が生産されたが、「チャレンジ・ストラダーレ」はわずか1,288台の限定生産。
当時は発表からほどなく完売となってしまったことでも知られる希少モデルとなった。
搭載されたV8エンジンは、「360モデナ」用をベースに圧縮比をアップ、さらに吸排気系システムやピストン形状変更、インテークマニフォールドの研磨、ECUプログラミングの変更などのチューニングで最高出力425psを発揮した。
その一方で、F1GPの現場からフィードバックした技術によりサスペンションやホイールボルト、ダンパーにはチタン合金。ドアパネルなどにもカーボン素材を採用した。またフロントとリヤのバンパーは、サーキット専用車「360チャレンジ」からヒントを得た「レジン・トランスファー・モールディング」工法で成形するなどのデバイスの積み重ねにより、対360モデナ比で110kgにもおよぶ軽量化も果たしている。
加えて、フラッグシップの「エンツォ」から流用したカーボンセラミックディスクブレーキなどのハイスペックなコンポーネンツは、クラス最高といわれたロードホールディングに貢献。さらに、大型のフロントスポイラーや後端をつまみ上げた形状としたリヤのエンジンフード、さらに大型のディフューザーを採用したことでダウンフォースは50%も拡大したこともあわせて、まさに「究極の360」となった。
当然ながら、走行性能は「360モデナ」から大幅にアップを果たしており、0-100km/h加速は4.1秒、最高速はV8フェラーリとしては初めて300km/hの大台に到達。そしてピスタ・ディ・フィオラーノでのラップタイムを、3.5秒も短縮することに成功した。
当個体はマラネッロから1288台がラインオフされたうちの1台。若干朱色がかった赤「ロッソ・スクーデリア」に、「ネロ(黒)」本革レザー/アルカンターラ混成のインテリアという、「チャレンジ・ストラダーレ」のイメージカラーが新車時代から維持されている。「チャレンジ・ストラダーレ」を象徴していた、イタリア国旗の三色旗をイメージしたオプションのストライプ塗装は、この個体には施されていない。
そして最大の特徴は、走行距離わずか379kmという点だ。大切に保管されていた当個体は、シートカバーやハンドルカバー、純正工具が付属し、定期整備記録簿も残っている。デビューから約20年が経った現在、低走行かつ純正状態の「チャレンジ・ストラダーレ」は入手が困難であるため、本オークションは絶好のチャンスと言えるだろう。