1989 RUF CTR “Carrera Conversion”
- RUF社によるフルコンバージョンモデル
- CTRスペックのエンジンを搭載
- ターボボディがベース
- 内装もすべてRUF社によって製作
1987年にドイツのRUFオートモービルがポルシェ911カレラをベースに製造した「CTR/カレラ・ターボ・ルーフ(通称:イエローバード)」は、米国の自動車雑誌「Road&Track」が実施した市販車最速記録テストにおいて339.8km/hという、1987年当時の市販車最高速記録をマーク(後に342km/hに記録更新)した911として、今も伝説として語り継がれている。
911の3.2ℓ空冷フラット6エンジンを3.3ℓへと排気量をアップし、ボッシュ製のインジェクションと分割式のインタークーラーを持つツインターボシステムを組み合わせることで469psという最高出力を実現。
このスペックはあくまで最低限保証される公称値とされ、最良のコンディション下であれば最大510psの最高出力を発揮するとされている。
RUFでは当時CTRに2パターンの購入方法を設定しており、1つはRUFがポルシェから購入したホワイトボディをベースとしたコンプリートモデルで、世界限定30台で販売。日本にも11台が正規輸入され、5600万円で販売された。
もう1つは顧客が持ち込んだ車体に専用の「CTRキット」を組み込む方法(コンバージョン)で、今回出品される個体はこのコンバージョン仕様となる。
ドイツのRUF本社で1991年にコンバージョンが施されており、ベースは1989年式の911カレラ・ターボルック。
「CTR J 037」というエンジンナンバーを持ち、トランスミッションは後期型となる6速マニュアルトランスミッションが与えられている。
エクステリア、インテリア共にRUFの手による完璧なCTR化が施されており、コンバージョンに関する保証書も付属。正真正銘の“RUFコンバージョン”による価値あるCTRとなる。
コンプリートカーのCTRは1億円近い価格での取引が行われることもある昨今、基本は同一スペックとなるコンバージョン仕様をより安価で手に入れることは、賢い選択といえるかもしれない。
当個体は3万4000kmと走行距離も少なく、内外装、機関系共に非常に良好なコンディションを保っている。
愛情を注がれた良質なコンディションを保つ伝説のマシンを手に入れられる、これはまたとない機会となることだろう。