第1世代のスカイラインGT-Rと同じ2L DOHCのS20型ユニットを搭載したS30型フェアレディ Zの高性能モデルとしてラインナップされた「Z432」。
その432ベースのレース参戦用ベースモデルとして、FRP製ボンネットや、S30の標準車よりも0.2mm薄い鉄板が用いられたボディ外板ほか、サイド&リヤウインドウも軽量な日産のロゴが刻印されたアクリルが装備され実に100kg以上もの軽量化が施されている。
なお燃料タンクは耐久レースへの参戦を想定した100L容量(標準は60L)の専用品が装備された。

エンジンは基本的にはZ432と共通だが、レースベースとしてチューニングが施されることが前提とされたためエアクリーナーは取り外され、キャブレターのファンネンルが剥き出しにされている。
しかし、現オーナーは公道での走行を考えエアクリーナーを装着していたこともあったそうだが、走行に関しても、見た目に関しても満足いくものがなく、オリジナルで製作したこだわりの逸品が装着されている。
エンジンの最高出力自体は160ps/18kgmとZ432からの変化はない。
内装も簡素化されておりラジオやヒーターといった快適装備は一切省かれている。
ロールケージさえ装備すればすぐさまレース参戦可能というスパルタンな仕様である。
シートもリクライニング機構の付かないフルバケットタイプが採用され、当個体にも純正のものが装着されているが、生地は張替が行われ、運転席のシートは経年劣化を避けるため交換され、純正シートも別途保管されている。

この個体は 「PS30-00218」の車体番号を持つ正真正銘の「R」であるが、車台番号が再打刻され、その上には日産のロゴマークが入るのはこの個体だけとも言われている。
432Rというモデルの希少性、オリジナル度の高さ、そして車体番号の再打刻という唯一無二の個性を兼ね備えるコレクタブルな1台。