株式会社BINGO

2026/01/09 FRI - 2026/01/10 SAT

:

BH AUCTION 1.10 at City Circuit Tokyo Bay

1975 Ferrari 365 GT4 BB

  • ジャミロクワイのJay Kayの愛車だった1台
  • サイン入りのナンバープレート・クラシケケース
  • フェラーリ・クラシケ取得済み
  • 生産台数わずか387台のみ
  • オリジナルのボディーカラーとインテリアカラーでレストア済み

1973年、フェラーリ初のミッドシップ・フラッグシップモデル「365 GT/4 BB(ベルリネッタ・ボクサー)」が登場する。これまでのV12フェラーリとはまったく異なる設計思想を持ち、ピニンファリーナによるエクステリアは、低く構えたシルエットと広いワイドトレッドが特徴。大胆なレイアウト変更と、未来的なプロポーションは人々を驚かせた。
当初は25 台限定での生産が予定されていたが、発表と同時に問い合わせが殺到。すぐに50 台に増産が決定。生産開始時にはすでに250 台のバックオーダーを抱える人気ぶりに、1976 年の生産終了までに387 台が製造された。
搭載されるのは、180 度V 型12 気筒エンジン。名ばかりの「ボクサー(水平対向)エンジン」ではあるが、トランスミッションの上にエンジンを載せる“ イシゴニス・レイアウト” によって重量バランスを最適化。公表値で最高出力385hp、最高速度302km/hというスペックは、GTカーでありながらスーパーカーと呼ぶに相応しい性能を誇った。
「GT」の名が示す通り、エアコン・ラジオ・パワーウィンドウを標準装備するなど、快適性にも配慮された365 GT/4 BB。洗練されたインテリアと、計算された重量配分、美しいラインを持つ外観は、まさに“ 走る芸術品”だ。

今回紹介する個体は、その希少な387 台のうちの1 台であり、Jamiroquai(ジャミロクワイ)のフロントマン、Jay Kay が所有していたもの。
アーティストとしてだけでなく、筋金入りのカーコレクターとしても知られる彼は、これまでにF40 やエンツォ、ラ・フェラーリを含む多数のフェラーリを所有してきた。
1996 年にリリースされた彼の3rd アルバム『Traveling Without Moving』は、全世界で1200 万枚を売り上げ、ジャケットアートワークに採用されたフェラーリとタイアップしたロゴも話題になった。
この365GT/4BB も、彼のSNSに登場するコレクションの中の1台となる。
赤に色変えされていたが、オリジナルのメタリックブルーへ再塗装され、インテリアもオリジナル色のタンカラーに仕立て直された。
レストアを担当したのは、ロンドンの名門「Joe Macari」。ボディは素地まで剥離された後、丁寧に再塗装。シャシーや室内も含め、フルレストアの様子は詳細な記録写真付きで残されている。
さらに、Ferrari Classiche 認定済みという点も注目に値する。
ミッションはマッチングではないが、エンジンとボディはナンバーマッチング。シャシー構成や足回りなども忠実にオリジナルを再現し、フェラーリとしての価値を確かなものにしている。
クラシケの認定書には、Jay Kay 自身による「Enjoy the 365!」という直筆メッセージとサインが添えられ、ナンバープレートにも彼のサインが残されている。
スーパーカーの歴史において、そしてフェラーリにおける設計思想の大転換において、この365 GT/4 BB はまさに革命の象徴である。そしてこの個体は、アシッドジャズという音楽ジャンルを牽引したアーティストが所有していたというヒストリーも残す。
一台のマシンが、時代の空気を映し出し、やがて“ 語り継がれる存在”となること。それは決して偶然ではない。
これは単なるヴィンテージ・フェラーリではない。ストーリーを持つ、真の“コレクターズ・ピース” である。

LOT NUMBER27

ESTIMATE:

¥85,000,000 -
¥95,000,000

車台番号 F102AB 18437
エンジン番号 F102 A n.303
オドメーター 14,101 miles